蟲師　１０巻：はちみつ館：SSブログ

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蟲師　１０巻　[漫画] [編集]

蟲師　１０巻。最終巻です。

雑誌の方で「降幕」という字を見ていたので、終わってしまうと覚悟していました。
実際に最終巻を手にすると、早く読みたいような、読んでしまうのがもったいないような。
最終巻って結末を知りたいけど終わるのが淋しくてなんだか緊張します。
１話読んでは噛みしめながら日を置いて、そんなことを繰り返していたら読み終わるまで１ヶ月ほどかかってしまいました。

最後まで『蟲師』は『蟲師』のまま。
ただそこにある現象の蟲みたいに淡々と。
蟲はいなくなることはない、自然はそこにあるまま、物語としての幕を降ろしただけでした。
狭い場所で起こる出来事でありながら、抗えないとても大きな流れを感じる。
そんな場所で生きたことはないのに、なぜか懐かしいと思える不思議な世界でした。

『光の緒』『常の樹』『香る闇』『鈴の雫』の４編収録。
相変わらずタイトルが綺麗だなぁ。
繋がりが大事に描かれていて、何度か泣けました。
ヒトというのは自然の理からどんどん外れてきているのかもしれない。
自然が驚異となることもあれば、自然に助けられることもある。
自然がそうしようと思ったわけじゃなく、ヒトがそう感じただけだとしても。
その深さと大きさに泣けるのかな。
片想いみたいなヒトの願いが自然に届いたと感じる話、そんなのが泣けるくらい嬉しくて好きだったな。

作者である漆原さんのカバー折り返しの言葉が好きです。
最終巻に限らず、全巻通して。
私、これだけで泣けるよ！
最終巻の言葉も良いなぁ。
こういう感覚…感性っていうのかしら？
すごく憧れます。
同じ景色を見ても全然違う感じ方をしてるんじゃないかな。